2017/10/24
新たなことば、広がる世界
「第2回現代人の語彙調査」
(朝日新聞朝刊より)
朝日新聞社とともに「語彙(ごい)・読解力検定」を主催しているベネッセコーポレーションは、「第2回現代人の語彙に関する調査」を実施した。調査では、若者が使っている新語を、その親世代はあまり知らないという現状が浮き彫りになった。一方で、新語の中には定着の兆しがうかがえるものもみられた。
SNS発 若者の新語続々
調査は7月、高校生から60代の3130人を対象に、インターネットで行った。辞書語彙、新聞語彙に最近の「新語」を加えた計540語について、意味を知っているかどうか質問した。
高校生の方が、親世代(40~60代)より知っている割合が高かった語のうち、差が最大だったのは「りょ」(了解)で、両者の差は50.9ポイントもあった。次いで「わず」(~した)、「イミフ」(意味不明)と続いた。差はいずれも37.7ポイントだった。「わず」は、英語のwasからきた語で、「勉強わず」は「勉強した」という意味になるという。
大学生の場合は親世代との差はさらに広がり、差が最も大きい「わず」で70.4ポイント、「りょ」で69.1ポイント、「イミフ」で61.7ポイントとの結果だった。差が大きい語の多くは、SNSで使われる新語。若者がSNSを使って仲間内だけで使う新語を次々と生み出している様子がみてとれる。
ただ、昨年の第1回調査よりも、若者と親世代で差が縮まった語もある。昨年、高校生と親世代との間で44.1ポイントと最も差が開いた語は「ディスる」(けなす)。今年は高校生の知っている割合は88.0%と横ばいだったが、親世代が44.3%から65.1%へと急上昇し、両者の差は22.9ポイントまで縮まった。この言葉がSNSの世界から飛び出し、テレビや小説などで頻繁に使われるようになったことが背景にあるとみられる。
回答者全体で見ると、昨年の調査より知っている人の割合が最も上がった語は、「ワーママ」(働く母)で18.7ポイントの上昇。次いで「なる早」(なるべく早く)12.1ポイント、「LGBT」(性的少数者を指す語)11.3ポイントだった。いずれも造語だが、社会で使われる機会が増え、定着しつつあるとみられる。